中小企業のデジタルトランスフォーメーションについて
政府が推進するデジタルトランスフォーメーションに取り組めている企業はどの程度あるのかご存知でしょうか?
少し前ですが、令和2年12月28日にデジタルトランスフォーメーションの加速に向けた研究会が発表したDXレポート2には現状は以下の通りだと記載されています。
- 実に全体の9割以上の企業がDXにまったく取り組めていない(DX未着手企業)レベルか、散発的な実施に留まっている(DX途上企業)状況であること
- DXレポートによるメッセージは正しく伝わっておらず、「DX=レガシーシステム刷新」、あるいは、現時点で競争優位性が確保できていればこれ以上のDXは不要である、等の本質ではない解釈が是となっていたこと
しかも回答企業は500社という事で、ある程度の規模がある企業の回答でも、進められていないという状況になります。
実際、ほとんどの中小企業は未着手だと思います。職業柄多くの会社様にお伺いしていますが、ほとんどの会社はこの10年で変化があったのは利用システムの刷新のみに留まっている状況です。
とは言え、従来型のビジネススタイルが変化している(変化し続けている)会社様もあります。
例えば、受注処理に関して、電話利用からFAX利用になり、その後VAN型EDIからWeb-EDIへ、そしてクラウドのPKGツール、RPAを利用した無人による処理へと変わり、業績を上げ続ける(業界トップになっている)といった会社様もいらっしゃいます。
変わった会社と変わらない会社の違いですが、個人的には、ITが判る人材の有無ではなく、経営者の姿勢にあると感じています。ITを単なるツールだと断言されたり、現状のビジネスモデルの変更をしない(より効率化を図る気はない)と拒絶する発言をされていらっしゃる会社様は残念ながら、DXの推進はできていません。
経営者様のマインドが一番重要です。
DX(Digital Transformation)とは何?
という事を改めて定義から確認すると
企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること
とあります。
レポートにもある通り、目指すべきは”ITを導入すること”ではなく、”企業文化(固定観念)を変革すること”になります。
そのため、ITの導入計画を立案することが優先ではなく、経営戦略(会社方針や計画)を立案することがまず重要であり、ITを利用して何を実現したいのかを明確にすることが必要になります。
ITを利用すればどのようなことができるのかを知りたいというご質問をお聞きすることがありますので、先ずは参考までに独立行政法人 中小企業基盤整備機構が提供している情報”ここからアプリ”を参考に挙げておきます。リーズナブルに利用できる新しいサービスが続々登場しているため、すべてをキャッチアップすることは難しいので、どういうものが世にあるのかを簡単に理解するための参考になるとは思います。
超短期の対応として、どんなITツールが存在していて、こんなことぐらいは出来るはずだというイメージを持って興味を持っていただくことができれば、まずは一歩すすめるのではないでしょうか?